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試験の目的
施工箇所の地盤の特性値を、反力を必要としない簡易試験機によって取得し、さらに算出式により長期許容支持力・短期許容支持力を求めます。
得られる値
CBR値、粘着力(c)、内部摩擦角(Φ)、コーン指数(qc)、地盤反力係数(K30)、 長期許容支持力(kN/㎡)
試験方法
ハンドルとスイッチレバーを操作し、ランマー(重錘)を一定の高さから地盤に自由落下させ、地盤に衝突した際に生じる衝撃加速度を計測します。衝撃加速度の最大値がキャスポル表示器内でインパクト値(Ia)に換算され、CBR値、粘着力、内部摩擦角、コーン指数、地盤反力係数を算出しディスプレイに表示されます。
インパクト値(Ia) = 加速度(gal) ÷ 2.78×980(gal)
インパクト値(Ia)と各地盤の特性値の関係
■n粘着力(c)との関係 c(kN/㎡) = 0.785 + 7.073 Ia
■nせん断抵抗角(Φ)との関係 Φ(°) = 15.18 + 0.974 Ia
■nCBR値との関係 CBR(%) =-4.945 + 1.615 Ia
■n地盤反力係数(K30)との関係 K30(MN/㎥) = -37.58 + 8.554 Ia
■nコーン指数(qc)との関係 qc(kN/㎡) = -354.1 + 124.3 Ia
許容支持力度の算出方法
n衝撃加速度から関係式を用いて求めたせん断抵抗角(Φ)、粘着力(c)を、国土交通省告示1113号、建築基礎構造設計指針の極限支持力算出式に、長期許容支持力の場合安全率1/3を、短期許容支持力の場合2/3を乗じた以下の式を使用します。
qa=1/3× (ic・α・c・Nc+iγ・β・γ1・B・η・Nγ + iq・γ2・Df・Nq)
qa | 単位面積あたりの許容支持力度(kN/㎡) |
Nc,Nγ,Nq | 支持力係数、せん断抵抗角(Φ)の関数 [表-2・図-1参照] |
γ1 | 支持地盤の単位体積重量(kN/㎥) 地下水位以下の場合には水中単位体積重量を用いる |
γ2 | 根入れ部分の土の単位体積重量(kN/㎥) 地下水位以下の場合には水中単位体積重量を用いる |
α・β | 基礎の形状係数 [表-1参照] |
η | 基礎の寸法効果による補正係数 η=(B/B0)^-1/3 (ただしB,B0の単位はm B0=1m ) |
B | 基礎底面の最小幅基礎幅(m) |
Df | 根入れ深さ(m) |
ic,iγ,iq | 荷重の傾斜に対する補正係数 ic = iq = (1 – θ/90)^2 iγ = (1 – θ/Φ)^2 (ただしθ>Φの場合はiγ = 0) ※θ:基礎に作用する荷重の鉛直方向に対する傾斜角 |
表-1 形状係数
基礎底面の形状 | 連続 | 正方形 | 長方形 | 円形 |
α | 1.0 | 1.2 | 1.0+0.2(B/L) | 1.2 |
β | 0.5 | 0.3 | 0.5-0.2(B/L) | 0.3 |
表-2 支持力係数
Φ | Nc | Nq | Nγ |
0° | 5.1 | 1.0 | 0.0 |
5° | 6.5 | 1.6 | 0.1 |
10° | 8.3 | 2.5 | 0.4 |
15° | 11.0 | 3.9 | 1.1 |
20° | 14.8 | 6.4 | 2.9 |
25° | 20.7 | 10.7 | 6.8 |
28° | 25.8 | 14.7 | 11.2 |
30° | 30.1 | 18.4 | 15.7 |
32° | 35.5 | 23.2 | 22.0 |
34° | 42.2 | 29.4 | 31.1 |
36° | 50.6 | 37.8 | 44.4 |
38° | 61.4 | 48.9 | 64.1 |
40°以上 | 75.3 | 64.2 | 93.7 |
図-1 支持力係数と内部摩擦角Φの関係
n砂質土地盤と粘性土地盤での許容支持力度の算出例
砂質土の算出例
計算式に下記の値を代入すると、式の一部(打消し線部分)が0となります。
- 砂質土であるため、粘着力(c) = 0
- 床付けで試験をするため、根入れ深さ (Df) = 0
- 基礎底面に作用する荷重の傾斜・偏心がない場合 補正値 ic,iγ,iq = 1
qa=1/3×(ic・α・c・Nc+iγ・β・γ1・B・η・Nγ + iq・γ2・Df・Nq)
よって、下記式で砂質土の許容支持力度を算出することができます。
qa=1/3 × β・γ1・B・η・Nγ
粘性土の算出例
計算式に下記の値を代入すると、式の一部(打消し線部分)が0となります。
- 粘性土であるため、せん断抵抗角(Φ) = 0
- 床付けで試験をするため、根入れ深さ (Df) = 0
- 基礎底面に作用する荷重の傾斜・偏心がない場合 補正値 ic,iγ,iq = 1
qa=1/3×(ic・α・c・Nc+iγ・β・γ1・B・η・Nγ + iq・γ2・Df・Nq)
よって、下記式で粘性土の許容支持力度を算出することができます。
qa=1/3×α・c・Nc